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闇金の利息。年利3142%の違法な実態

■目次

闇金の利息。年利3142%の違法な実態

 

まず一般的な消費者金融の金利設定とは

利息制限法

一般的な消費者金融であれば、法律の範囲内の利息までしか設定しません。正式な手続きを経てきちんと登録のなされた金融会社であるので当然です。
万が一利息制限法の上限を超えて貸し付けを行った業者は、営業停止などの処分をされる事となります。

 

利息の上限

利息制限法では貸し付けた元金の大きさによって、それぞれに設定する金利の上限が異なります。
まず貸付金額が10万円未満の場合、金利上限は年20%までです。10万円以上であり100万円未満の金額であれば、利息は18%まで、100万円以上の高額融資となると更に年15%まで引き下げられます。
利息は元金の大きさに対する割合で計算されるものです。元金が大きいほど利息を下げるのは消費者保護の観点から理にかなっています。

 

闇金の利息設定

闇金が違法である理由の1つはその貸付金利

闇金が違法な組織であることは誰もが知っている事です。威圧的な態度や悪質な取り立ても、闇金が違法組織である理由の一つです。真っ当な金融会社であれば、仮に貸し付けた金が期限までに返済されなくとも不法な手段に打って出る事はあり得ません。
しかし闇金が違法となる原因は他にもあります。それがあり得ない程に高く設定された利息です。闇金での借金は元金を瞬く間に超えてしまうほど、利息が膨らみやすくなっています。

 

闇金の利息はトイチやトサン

闇金の利息については、年何パーセントと表現される事があまりありません。その代わりにトイチやトゴなどと表現され、トイチであれば10日で1割の利息を意味しています。
実際に存在している闇金の利息設定は、トイチに限らずトサンやトゴまであります。トイチが10日で1割であるように、トニであれば10日で2割、10日で3割がトサンとなり、トゴまで行くと10日で5割であるため元金に対して半分の割合が利息として取られてしまいます。
利息が10日ごとに膨らんでいくだけでも、闇金ならではの違法行為が目に見えてくるはずです。しかしこれらの利息を年利換算して当てはめてみれば、闇金で借金地獄に陥ってしまう人がいるのがなぜであるのか理解できます。
たとえばトイチを年利に換算すると、その利率は3142%という高額の数値を示します。これだけでも明らかにおかしい利息ですが、更にトゴとなると267,504,316%という桁外れの数値になります。たった10万円の借金があっという間に桁数を変えるため、返しても返しても逃れられない負のスパイラルに巻き込まれてしまうのです。

 

闇金の借金は複利で雪だるま式に膨れ上がる

単利とは

単利とは元金に対してのみ利息を付けていく方法です。たとえば10万円を年利10%で借りた場合、1年後の利子は1万円、よって借金の合計は11万円となります。そのまま2年目も借り続けると、再び10万円の10%として1万円の利子が付きます。そのため2年後の借金合計は12万円となります。同様に3年目の利子も元金の10%である1万円、借金合計は13万円です。利息がかかる分が10万円と言う元金のみであるため、何年借りていても毎年の利子は1万円になります。

 

福利とは

元金にのみ利息がかかる単利とは異なり、複利はその時点での借金総額に対して利息がかかっていきます。
10万円を年利10%で借りた場合、1年後までは単利と同じく利息が1万円、借金総額が11万円となります。しかし単利とは違った性質を見せるのがこの後です。2年後も借り続けていた場合、利息は元金10万円に対する10%ではなく、10万の元金プラス1万の利息を合わせた11万円の10%となります。よって2年後の利息は1.1万円、借金総額は12.1万円です。3年後も同様に、12.1万円に10%の利息がかかります。よって1.21万円の利子、借金総額は13.31万円です。
3年後は単利と比べて3,100円返済額が増えています。この雪だるま式システムにより、ただでさえ高い闇金の利息がさらに跳ね上がっていく仕組みです。

 

暴利の利息計算方法

法律内の利息上限に則っている場合

たとえば10万円を1年間借りていたとします。この場合の利息上限である20%が年利である場合、一年後に返す時には2万円の利子が付いている事になります。
そのため返済金額の合計は、元金10万円と利子2万円とを合わせた12万円です。

 

トイチの年利は3142%

トイチで10万円を借りた場合、10日後には1割の金利として1万円の利子が付いています。よって10万円を借りた日の10日後には返済額が11万円になっていると言う事です。
もしもこの11万円を返済しないまま更に10日が過ぎた場合、20日目には11万円の1割、つまり1万1千円の利子が付く事になります。そのため20日後の返済額は12万1千円の計算になります。
ここまでであればまだ返済の余地はあります。しかし複利によって利息に利息が上乗せされていくので、借金の総額は10日ごとにどんどんと跳ね上がっていきます。
借りた方もどこかの時点で金を返すので、この計算式がそっくりそのまま現実に当てはまる訳ではありません。しかしもしも仮に一切の返済をしないまま利息を積み上げていくとすれば、10万円だった元金は1年後には利息によって324万円を超える額にまで及んでいます。
10万円の捻出に苦しむ人が、この金額を返していく事は困難です。こう言った状況の中にありながら、闇金は違法な取り立てで債務者を追い込みます。

 

2017年に流行した週倍

週倍とは

週倍とは1週間で10割と言う、あり得ないような金利設定の事を意味して使われる言葉です。これも闇金の暴利に含まれますが、2017年にはこの週倍が流行しました。
トイチでさえ法外な金利に膨らみます。それが週倍ともなれば、利息だけで首が締まる事になるでしょう。