■目次
闇金を相談して警察は嫌がらせを止めてくれるのか？
闇金トラブルは警察に相談するべきか
闇金業者からお金を借りてしまった場合、法外な利息によって返済金額に苦しめられる人は多くいます。借りたお金を返せない現状を闇金業者に知られてしまえば、嫌がらせや威圧的な電話などのトラブルに発展する事も少なくありません。
闇金は言うまでもなく違法な業者です。法を犯している人や法人を取り締まるのは警察の役割であるため、抱えてしまったトラブルを警察に相談しようか迷っている人もいるでしょう。
しかし警察に相談して本当に被害がストップするのか、警察はきちんと対応してくれるのか、未知な部分は沢山あります。目に見えた実質的な被害を受けていない限り動いてもらえないようなケースも現実にあるため、相談を躊躇している人も少なくないのが現状です。
民事不介入の原則
闇金に困っていても警察は何もしてくれないと、テレビや雑誌などの取材に応えている人を見た事があるかもしれません。しかしこれは警察が職務を放棄している訳ではないのです。民事不介入と呼ばれる大原則があるため、警察側も対処の仕様がないという理由があります。
民事不介入とは読んで字のごとく、民事に該当するトラブル、つまり個人間に起こった問題に公的機関は介入しないという原則です。
たとえば家庭内暴力や、以前交際していた相手からのストーカー被害などは民事トラブルの一つとして考えられます。これらは法改正によってある程度警察による介入がされるようになってきましたが、民事不介入の原則が存在していることには依然として変わりありません。
警察への相談で根本的な闇金トラブルの解消は難しい
闇金は法を犯している業者です。しかし闇金からの借金による取り立てや嫌がらせの問題は、基本的に民事トラブルとしてみなされてきました。
最近では最高裁判決によって闇金の貸し付けが完全な不当利得として認められたため、以前に比べれば警察が相談に乗ってくれるケースも多くなっています。ところが闇金業者に対する忠告等の措置を取ってもらえたとしても、根本的な借金の解決にまでは至らない事がほとんどなのです。
闇金被害で警察に相談する時のポイント
相談するべき窓口を間違えない
警察は組織的な機関です。あらゆる部署が集合して機能しているため、闇金を相談するべき部署もきちんと決まっています。
闇金の相談をするのであれば、警察署内にある「生活経済課」という部署に話を聞いてもらうのが良いでしょう。今までに支払った金額や、受けてきた嫌がらせ等の被害など、証明できる方法がある場合には証拠を全て持参して相談窓口へ行くことが必須となります。
警察への適切な相談方法
状況が整理できていないまま曖昧な相談になってしまうと、対応を後回しにされてしまう恐れがあります。相談の際にはできる限り被害の状況を明らかにし、要点をまとめておくと良いでしょう。
根気強く訴える事で、すぐさま対応をしてもらえる可能性も高まります。
警察へ相談する上で知っておくべき注意点
相談した警察官の知識不足の危険性
闇金から借りたお金は元本を含めて返さなくても良いと言うのが最高裁の立場です。ところが警察官の中には、こう言った闇金に対する知識が欠如している人もいます。
適切な窓口に相談をした場合でも、闇金への対応に慣れている警察官ばかりではありません。実害や証拠がなければ何もできないと追い返されてしまうケースも稀にあるので注意が必要です。
闇金による嫌がらせ再開のパターン
警察側が適切な闇金対応を行ってくれる場合でも、基本的には警告電話をかける所までが限界です。
警察からの警告があれば、闇金業者も一旦は引き下がるでしょう。しかし相談をきっかけとして摘発に繋がる事は多くないので、しばらく経った後に被害が再開する事も良くあるパターンとなっています。
確実な闇金トラブル解決には弁護士への相談がおすすめ
警察に相談できないケース
近年、民事不介入という警察の対応については見直されている傾向が強まっています。トラブルを抱えている一般市民の相談を、親身になって聞いてくれる警察官も沢山いるでしょう。
ところが民事不介入の話を抜きにしても、残念ながら闇金相談への対応に難色を示す警察がいるのも事実です。もちろんそれは例外的なケースであるため、ほとんどの警察官は少なくとも話だけは聞いてくれるはずです。
しかし警察業務の忙しさや、人手不足などの実情もあります。相談前に門前払いされてしまった被害者も居ます。
弁護士に相談する事の意義
仮に警察側が闇金への対応を取ってくれたとしても、借金そのものに対するトラブルが解消しないケースは少なくありません。警察の目が届かないところで嫌がらせが再開されるなど、相談後に同じようなトラブルが繰り返される事例も良くあります。
忠告や電話口での対応までにとどまる警察とは異なり、依頼を受けた弁護士にとっての最終目標は借金トラブルの根本的な解決です。嫌がらせをやめさせるための措置を講じるのと同時に、闇金に支払ったお金が返ってくるように動いてもらえる可能性まであります。
闇金トラブルを専門としている弁護士であれば、問題解決へのスムーズな対応が期待できるでしょう。そのため根本的な問題解消を目指すなら、おすすめ度が高いのは弁護士への相談となります。